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兵庫県にある「多々良木ダム」。
ダム湖を周回していると見えてくる
沈んだはずの『モノ』。
数年前、猛暑が続いた夏
雨が降らずに全国的に水不足が発生した。
ちょうどその頃に、たまたま通りかかったのが
この多々良木ダムである。
木々が生い茂る周回道路から
何気なく水面を見下ろすと
違和感のある光景が目に入った。
車を停め
斜面ギリギリの所から身を乗り出してみた。
そこには
猛暑で水位がさがったのだろう
湖底が顔を覗かせている。
違和感の原因は
湖底にもかかわらず、地面に正方形に組まれた石垣が数カ所あり
朽ちた大樹が倒れずに佇んでいる場所も。
さらに
石で作られた小さな橋。
石垣と石垣の間にある細い道。
どれもこれも
目を凝らさないと判別が難しい。
それは
ダムに沈んだ村だったのだ。
このダムは
高度経済成長時代、電力不足を補う為につくられたそうだ。
「多数の為に少数が犠牲になる」
そんな構図を目の当たりにし
とても感慨深い気持ちになったものだ。
そして先日
またしても偶然このダムを訪れることに。
村の痕跡が印象深く残っていたので
再度ダム湖を周回してみることにした。
人気のない「村」。
再び、何かを問いかけられたような気がした。



