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大掃除。
盆休みにだ。
皆は有意義に過ごしているに違いないと
勝手に想像しながら。
記憶に新しい「断捨離」ブーム。
今では「ミニマリスト」が話題だそうだ。
何はともあれ
生活に最小限必要なもの以外は
捨ててしまおうというではないか。
望むところだ。
流行りには一応乗っておこう。
自分の部屋から取り掛かる。
押し入れや引き出し
クローゼットや棚。
近年着ていない懐かしい服や
昔のアクセサリー類
古い写真や
苦労した時代の手帳。
思い出の品が
どんどん出てくる。
なんだここは
竜宮城なのか。
整理整頓の本などに
よく書かれているフレーズがある。
「思い出は心の中にある」
「だから思い切って捨てるべし」
「捨てて以降思い出さない記憶はもはや思い出ではない」
などなど。
なんとも冷徹な提案ではないか。
頭を冷やさないと出来ない芸当だ。
しかしながら
季節も相まって吾輩の頭と心はとても熱い。
煮えたぎっている。
が故に
当然そんな思い切った事が出来るはずもなく。
せめて冬の到来を待ってから実行せさて欲しい。
どうだ
それで文句はないだろう。
これで我が宝物たちも
少しは生きながらえる事が出来る。
良きかな良きかな。



