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包丁を新調しようと
金物で有名な兵庫県三木市へ。
現地の金物屋へ行き
7、80代くらいの
いかにも老練な職人と思しき男性に
包丁についての案内を頼んだ。
色々と教えてくれる中で印象的だったのが
メンテナンスの事だった。
まず
簡単に研げると人気の
V字型にセットされているセラミックに刃を当て
スライドさせるタイプがあるが
あれはV字型の開き角度が広いため
刃を鋭く研げない。
刃がどんどん鈍角に研がれていき
いずれ切れ味が悪くなってしまうという事。
そして
研ぎ石を使うべき理由と研ぎ方を
懇切丁寧に説明していただいた。
次に
鋼の包丁を使ったあとは
いくら洗剤のついたスポンジで洗っても
野菜のエキスや肉の脂などが落ちず
使えば使うほど切れ味が落ちてしまう。
常に鋼の切れ味を出すためには
使用後に60℃くらいのお湯でクリームクレンザーを適量使い
亀の子タワシで全体をくまなく磨けば良いとの事。
毎回が手間という人は
少なくとも3日に一回でも良いらしい。
まぁ・・・正直、それは手間である。
しかし思い返せば
武士は刀を自分の命のように大切にしていたと言うではないか。
時代劇でも
刀の刃を白い丸いやつでポンポンしているではないか。
暇を見つけては
お手入れタイムという印象だ。
機能を最大限に引き出し
更にそれを長持ちさせる為には
正しい方法を知った上で道具を大切にせにゃならん。
改めて
そう思わされた。
こだわりを持った職人さんの案内からは
情熱がひしひしと伝わってくる。
それに感動し
思わず買ってしまわずにいられなくなってしまうのは
自分の悪い癖かもしれない。
用途を伝え一本選んでもらった。
一生モノにしたいと思う。
金物屋を出てから
ふと思った。
三木市の包丁で切った野菜には
三木市の地酒がぴったりだろう。
そんなこじつけの発想で
お酒もついでに。




